東京23区の1LDK購入価格、都心3区と葛飾区で何が違うのか
「東京の1LDKはいくらか」という一つの平均では、物件探しに必要な情報がほとんど消えてしまいます。23区を同じ間取りで揃えると、中心部と東部では主な募集価格帯が3倍以上違いました。

都心3区は8,000万〜9,000万円帯
1LDKの募集価格帯は、港区・千代田区・中央区がそろって8,000万〜9,000万円帯に入ります。次が渋谷区の7,000万〜8,000万円帯、新宿区と文京区の6,000万〜7,000万円帯です。地図にすると、高価格帯が都心を核に連続していることが分かります。
一方、葛飾区は2,000万〜3,000万円帯。板橋・江戸川・練馬・荒川・足立の5区は3,000万〜4,000万円帯です。最も高い帯と低い帯の中点で比べると約3.4倍ですが、これは「東京」という一語では見えない差です。
| 区 | 主な募集価格帯 | 観測数 |
|---|---|---|
| 港区 | 8,000万〜9,000万円 | 3,204 |
| 千代田区 | 8,000万〜9,000万円 | 381 |
| 中央区 | 8,000万〜9,000万円 | 1,328 |
| 渋谷区 | 7,000万〜8,000万円 | 2,383 |
| 新宿区 | 6,000万〜7,000万円 | 1,896 |
| 文京区 | 6,000万〜7,000万円 | 825 |
| 世田谷区 | 5,000万〜6,000万円 | 1,342 |
| 足立区 | 3,000万〜4,000万円 | 324 |
| 葛飾区 | 2,000万〜3,000万円 | 274 |
観測数は同じ募集を複数日にわたって観測した行を含む。
同じ1LDKでも、買っているものが違う
間取りを1LDKに固定しても、床面積、築年数、駅距離、建物グレードは同じではありません。したがって、この差をそのまま「住所だけの値段」と読むことはできません。それでも、最初から区ごとに候補価格帯が分かれていることは明瞭です。
都心3区で1LDKを選ぶ人は、住戸の広さだけでなく、職場への近さ、複数路線、将来売りやすいこと、住所の希少性にも支払っています。東側や北側では、同じ予算をより広い住戸、築浅、駅近の条件へ振り分けやすくなります。
ここで大切なのは、「都心は割高だから避ける」「東側は安いから買う」と短く結論づけないことです。都心の小さな住戸を選ぶ人と、同じ予算で別の区の広い住戸を選ぶ人では、重視しているものが違います。毎日の移動時間を短くしたいのか、在宅時間を快適にしたいのか、数年後に売りやすいことを優先するのか。価格差は、こうした選択の違いが積み重なった結果でもあります。
観測数を見ると、数字の読み方も変わる
価格帯だけでなく、表の「観測数」も見てください。港区は3,204、渋谷区は2,383、新宿区は1,896あります。一方、葛飾区は274、足立区は324です。観測数が多い区では、少数の高額物件が入っても全体の帯は動きにくくなります。少ない区では、その時期にどんな物件が募集されているかによって帯が動きやすくなります。
観測数は物件の正確な件数ではありません。同じ募集を別の日にも確認しているため、延べ数になっています。それでも、どの区のデータが厚く、どの区は慎重に読むべきかを知る目安になります。価格帯を一つだけ見るより、「価格帯と観測数」を一緒に見る方が安全です。
3,000万円、6,000万円、9,000万円で地図の意味は変わる
たとえば予算が3,000万円なら、葛飾区の主な帯には重なりますが、都心3区の主な帯とは大きく離れます。この場合、都心に近づけるには、より小さい間取り、古い建物、駅から遠い場所など、別の条件を動かす必要があります。
6,000万円なら選び方は増えます。新宿区や文京区では主な帯の入口に近く、世田谷区、台東区、品川区、江東区、目黒区、豊島区では5,000万〜6,000万円帯に重なります。ただし、同じ区内でも駅や町によって差があるため、「その区なら全部買える」という意味ではありません。
9,000万円になると都心3区の主な帯にも届きます。ここでは買えるかどうかより、同じ金額で何を選ぶかが中心になります。都心の立地を取るのか、別の区で広さや築浅を取るのか。地図は、この選択を始めるための道具です。
平均ではなく「予算でどこまで動けるか」を見る
重要なのは、高い区と安い区を順位づけすることではありません。予算が6,000万円なら、都心3区では1LDKの主な帯に届きにくい一方、新宿・文京では境界、世田谷・台東・品川などでは中心帯に入ります。同じ予算の意味が区によって変わります。
区の地図で分からないこと
この地図には、管理費、修繕積立金、室内の状態、眺望、階数、建物の管理状態は入っていません。購入後に毎月かかる費用が高ければ、募集価格が低くても家計の負担は軽くなりません。大きな修繕を控えた建物や、管理が十分でない建物も、区の色だけでは見分けられません。
また、1LDKという表記だけでは広さを揃えられません。35㎡の1LDKと55㎡の1LDKを同じ箱に入れているため、区ごとの住戸の大きさが価格帯に影響します。気になる区を見つけた後は、面積あたりの価格、築年数、駅までの距離を揃えて比べる必要があります。
実際の物件探しでは、この順番で使う
- まず23区の地図で、予算に近い区を3〜5つ選ぶ。
- その区の町丁目へ進み、駅や路線に近い場所と離れた場所を比べる。
- 1LDKの中でも面積を揃え、築年数の幅を決める。
- 募集価格に加えて、管理費と修繕積立金を足した毎月の負担を見る。
- 最後に似た物件を複数並べ、相場から離れている理由を確認する。
この順番なら、最初から一つの人気駅に絞って候補を失うことも、安い価格だけを見て条件の違う物件を比べることも減らせます。
東京23区の1LDK購入価格マップでは、区から町丁目へ降りて確認できます。区の色は入口であり、実際の候補選びでは築年数と駅距離まで揃えて比べる必要があります。