山手線の家賃は一周で6.7万円違う。駅ごとの25㎡推定賃料を比較
山手線沿線を一つの市場として見ると、駅ごとの価格差を見落とします。25㎡に条件を揃えた推定賃料は、最も高い渋谷と最も低い有楽町で月約6.7万円離れていました。

高いのは南西側、安い谷は北東側
推定賃料の最高は渋谷の月168,096円、次いで原宿164,943円、恵比寿158,114円でした。田端は104,067円、有楽町は100,808円です。最高と最低の差は月67,288円、比率では約66.7%になります。
山手線全体で真ん中にあたる25㎡推定賃料は130,792円で、東京の平均より7.5%高い計算です。ただし、この上乗せを全駅へ均等に当てはめることはできません。線の中に、はっきりした山と谷があります。
グラフは三つの区間に分けると読みやすい
大崎から渋谷までは、13万円台から16万円台へ上がる区間です。五反田と目黒でいったん近い水準になり、恵比寿、渋谷、原宿で高い山を作ります。渋谷は山手線全体の真ん中の値より月37,304円高く、田端より64,029円高い計算です。
新宿から田端までは、13万円台から10万円台へ下がる区間です。目白、大塚、巣鴨、田端はおおむね11万円前後に集まっています。恵比寿と目白の差は月45,345円です。勤務先への時間が大きく変わらない人なら、この区間で駅を動かすことが住居費を下げる手がかりになります。
上野から田町までは、単純な上り下りではありません。神田で上がり、東京で下がり、有楽町で大きく下がった後、浜松町で再び上がります。有楽町と浜松町は隣り合う駅ですが、推定値の差は46,014円あります。この急な差は本当の市場差だけでなく、確認できた募集数の違いも含むため、特に慎重に読む場所です。
「同じ路線」は価格条件ではない
渋谷から原宿、恵比寿にかけての高い区間は、山手線以外の路線接続、商業集積、住所の価格差も重なります。北側では田端、巣鴨、大塚が11万円前後に集まり、南西側との差が大きくなります。
一方、有楽町は周辺で確認できた募集が少なく、駅そのものより近隣エリアから計算した値の影響を強く受けます。線グラフの一点を物件査定として使うのではなく、「同じ路線でも候補駅を数駅動かすと予算がどれだけ変わるか」を見るための比較です。
| 駅 | 25㎡推定賃料 | 位置づけ |
|---|---|---|
| 渋谷 | 168,096円 | 最高 |
| 原宿 | 164,943円 | 2番目 |
| 恵比寿 | 158,114円 | 3番目 |
| 山手線の真ん中の値 | 130,792円 | 路線全体 |
| 田端 | 104,067円 | 低価格側 |
| 有楽町 | 100,808円 | 最低・募集数が少ない |
推定値であり、駅前の実在物件の募集賃料そのものではない。
25㎡に揃える理由
駅ごとの募集賃料をそのまま平均すると、広い住戸が多い駅ほど高く見えます。そこで、この比較では広さを25㎡に揃えています。25㎡は一人暮らし向けの住戸を想像しやすく、駅の違いを比べるための共通の物差しになります。
ただし、50㎡なら25㎡のちょうど2倍になる、という意味ではありません。広い住戸は間取りや建物の種類が変わり、1㎡あたりの賃料も同じとは限らないからです。二人暮らしや家族向けの物件を探す場合は、このグラフで駅の大まかな高低を見た後、必要な間取りでもう一度比べる必要があります。
推定値という言葉も重要です。グラフの数字は、各駅で実際に見つかる一つの部屋の家賃ではありません。周辺の募集から、広さや場所の違いをならして計算した比較用の値です。駅前に新築の募集が増えた月や、確認できる募集が少ない駅では、実際に検索したときの価格と離れることがあります。
駅名が同じでも、徒歩5分と15分では別の市場
沿線で物件を探すときは、駅名だけでなく徒歩時間を揃える必要があります。渋谷駅から徒歩5分の住戸と15分の住戸では、周囲の環境も使える入口も違います。隣駅との中間にある物件は、掲載サイトによって最寄り駅の表記が変わることもあります。
特に山手線は、地下鉄や私鉄の駅が近くに多くあります。恵比寿なら日比谷線、渋谷なら複数の私鉄と地下鉄、目黒なら南北線や三田線への接続があります。家賃の差には、山手線だけでなく、こうした別路線の便利さも含まれています。「山手線の値段」というより、「その駅周辺で使える移動手段を含んだ値段」と考える方が自然です。
家探しで使うなら、二つの駅を一組にする
一つの駅だけを決めて検索すると、その駅の高低にそのまま予算が引っ張られます。代わりに、通勤時間が近い駅を二つか三つ組にして比べると、選択肢が増えます。
- 渋谷や恵比寿が必要なら、目黒、五反田、大崎まで広げて乗車時間と家賃を比べる。
- 新宿が必要なら、目白、大塚、巣鴨側も見て、乗車時間の増加と月額差を並べる。
- 東京駅周辺が必要なら、神田、有楽町、浜松町を同じ条件で検索し、募集数も確認する。
ここで見るべきなのは最安駅ではありません。通勤時間、乗換回数、駅からの徒歩時間、毎月の家賃を並べたときに、自分が納得できる組み合わせがどこにあるかです。月3万円の差なら、1年で36万円になります。その代わりに毎日の移動が何分増えるのかを考えると、価格差を生活の選択へ置き換えられます。
このグラフだけでは決められないこと
建物の築年数、設備、階数、騒音、日当たり、管理状態はこの線には出ていません。同じ駅でも、線路沿い、大通り沿い、静かな住宅地では募集賃料が変わります。更新料や管理費を含めると、月額の差が縮んだり広がったりすることもあります。
また、駅ごとの数字は将来の家賃を予測したものではありません。いま観測できる募集を比べた結果です。引っ越しを決めるときは、グラフで候補駅を広げた後、実際の募集を同じ週に見比べるのが安全です。
路線名から駅の並びへ
物件検索では「山手線沿線」という条件がよく使われます。しかし家賃を決めるのは路線名だけではなく、環状線のどこにいるかです。通勤先が変わらないなら、乗換回数と所要時間を守りながら、価格の谷へ候補を動かす余地があります。
使い方は簡単です。最初に路線全体の山と谷を見て、次に候補駅を三つほど選びます。その三駅で間取り、築年数、徒歩時間を揃えて検索し、最後に管理費を足した月額で比べます。路線の平均から始め、駅へ進み、最後に個別物件へ降りる。この順番なら、グラフを必要以上に信じることなく、候補を増やすために使えます。
山手線の駅別家賃マップでは、地図と駅順の両方から確認できます。路線平均を見た後に、駅単位へ降りるのが自然な順番です。