データ記事 / 路線と家賃

山手線の家賃は一周で6.7万円違う。駅ごとの25㎡推定賃料を比較

/ データ基準日 2026-07-03

山手線沿線を一つの市場として見ると、駅ごとの価格差を見落とします。25㎡に条件を揃えた推定賃料は、最も高い渋谷と最も低い有楽町で月約6.7万円離れていました。

山手線沿線の町を家賃帯で色分けした地図
山手線沿線の価格分布。路線は一つでも、南西側と北東側で価格帯が分かれる。

高いのは南西側、安い谷は北東側

推定賃料の最高は渋谷の月168,096円、次いで原宿164,943円、恵比寿158,114円でした。田端は104,067円、有楽町は100,808円です。最高と最低の差は月67,288円、比率では約66.7%になります。

山手線の駅別25㎡推定賃料駅周辺の条件差を調整した25㎡推定賃料。駅順はデータ上の並び。¥95k¥116k¥138k¥160k¥182k大崎: 134736五反田: 144110目黒: 142597恵比寿: 158114渋谷: 168096原宿: 164943代々木: 146552新宿: 130792新大久保: 128873目白: 112769大塚: 111881巣鴨: 109196田端: 104067鶯谷: 109495上野: 116026神田: 133106東京: 124809有楽町: 100808浜松町: 146822田町: 136010大崎へ: 134736大崎五反田目黒恵比寿渋谷原宿代々木新宿新大久保目白大塚巣鴨田端鶯谷上野神田東京有楽町浜松町田町大崎へ
駅周辺の条件差を調整した25㎡推定賃料。駅順はデータ上の並び。

山手線全体で真ん中にあたる25㎡推定賃料は130,792円で、東京の平均より7.5%高い計算です。ただし、この上乗せを全駅へ均等に当てはめることはできません。線の中に、はっきりした山と谷があります。

グラフは三つの区間に分けると読みやすい

大崎から渋谷までは、13万円台から16万円台へ上がる区間です。五反田と目黒でいったん近い水準になり、恵比寿、渋谷、原宿で高い山を作ります。渋谷は山手線全体の真ん中の値より月37,304円高く、田端より64,029円高い計算です。

新宿から田端までは、13万円台から10万円台へ下がる区間です。目白、大塚、巣鴨、田端はおおむね11万円前後に集まっています。恵比寿と目白の差は月45,345円です。勤務先への時間が大きく変わらない人なら、この区間で駅を動かすことが住居費を下げる手がかりになります。

上野から田町までは、単純な上り下りではありません。神田で上がり、東京で下がり、有楽町で大きく下がった後、浜松町で再び上がります。有楽町と浜松町は隣り合う駅ですが、推定値の差は46,014円あります。この急な差は本当の市場差だけでなく、確認できた募集数の違いも含むため、特に慎重に読む場所です。

「同じ路線」は価格条件ではない

渋谷から原宿、恵比寿にかけての高い区間は、山手線以外の路線接続、商業集積、住所の価格差も重なります。北側では田端、巣鴨、大塚が11万円前後に集まり、南西側との差が大きくなります。

一方、有楽町は周辺で確認できた募集が少なく、駅そのものより近隣エリアから計算した値の影響を強く受けます。線グラフの一点を物件査定として使うのではなく、「同じ路線でも候補駅を数駅動かすと予算がどれだけ変わるか」を見るための比較です。

25㎡推定賃料位置づけ
渋谷168,096円最高
原宿164,943円2番目
恵比寿158,114円3番目
山手線の真ん中の値130,792円路線全体
田端104,067円低価格側
有楽町100,808円最低・募集数が少ない

推定値であり、駅前の実在物件の募集賃料そのものではない。

25㎡に揃える理由

駅ごとの募集賃料をそのまま平均すると、広い住戸が多い駅ほど高く見えます。そこで、この比較では広さを25㎡に揃えています。25㎡は一人暮らし向けの住戸を想像しやすく、駅の違いを比べるための共通の物差しになります。

ただし、50㎡なら25㎡のちょうど2倍になる、という意味ではありません。広い住戸は間取りや建物の種類が変わり、1㎡あたりの賃料も同じとは限らないからです。二人暮らしや家族向けの物件を探す場合は、このグラフで駅の大まかな高低を見た後、必要な間取りでもう一度比べる必要があります。

推定値という言葉も重要です。グラフの数字は、各駅で実際に見つかる一つの部屋の家賃ではありません。周辺の募集から、広さや場所の違いをならして計算した比較用の値です。駅前に新築の募集が増えた月や、確認できる募集が少ない駅では、実際に検索したときの価格と離れることがあります。

駅名が同じでも、徒歩5分と15分では別の市場

沿線で物件を探すときは、駅名だけでなく徒歩時間を揃える必要があります。渋谷駅から徒歩5分の住戸と15分の住戸では、周囲の環境も使える入口も違います。隣駅との中間にある物件は、掲載サイトによって最寄り駅の表記が変わることもあります。

特に山手線は、地下鉄や私鉄の駅が近くに多くあります。恵比寿なら日比谷線、渋谷なら複数の私鉄と地下鉄、目黒なら南北線や三田線への接続があります。家賃の差には、山手線だけでなく、こうした別路線の便利さも含まれています。「山手線の値段」というより、「その駅周辺で使える移動手段を含んだ値段」と考える方が自然です。

家探しで使うなら、二つの駅を一組にする

一つの駅だけを決めて検索すると、その駅の高低にそのまま予算が引っ張られます。代わりに、通勤時間が近い駅を二つか三つ組にして比べると、選択肢が増えます。

ここで見るべきなのは最安駅ではありません。通勤時間、乗換回数、駅からの徒歩時間、毎月の家賃を並べたときに、自分が納得できる組み合わせがどこにあるかです。月3万円の差なら、1年で36万円になります。その代わりに毎日の移動が何分増えるのかを考えると、価格差を生活の選択へ置き換えられます。

このグラフだけでは決められないこと

建物の築年数、設備、階数、騒音、日当たり、管理状態はこの線には出ていません。同じ駅でも、線路沿い、大通り沿い、静かな住宅地では募集賃料が変わります。更新料や管理費を含めると、月額の差が縮んだり広がったりすることもあります。

また、駅ごとの数字は将来の家賃を予測したものではありません。いま観測できる募集を比べた結果です。引っ越しを決めるときは、グラフで候補駅を広げた後、実際の募集を同じ週に見比べるのが安全です。

路線名から駅の並びへ

物件検索では「山手線沿線」という条件がよく使われます。しかし家賃を決めるのは路線名だけではなく、環状線のどこにいるかです。通勤先が変わらないなら、乗換回数と所要時間を守りながら、価格の谷へ候補を動かす余地があります。

使い方は簡単です。最初に路線全体の山と谷を見て、次に候補駅を三つほど選びます。その三駅で間取り、築年数、徒歩時間を揃えて検索し、最後に管理費を足した月額で比べます。路線の平均から始め、駅へ進み、最後に個別物件へ降りる。この順番なら、グラフを必要以上に信じることなく、候補を増やすために使えます。

山手線の駅別家賃マップでは、地図と駅順の両方から確認できます。路線平均を見た後に、駅単位へ降りるのが自然な順番です。