川崎市況レポート

川崎は築年数がいちばん効かない街である 2026年7月

対象期間 2026-07-01 〜 2026-07-31 / 観測日 5日(売買)・4日(賃貸)

古くなっても、あまり下がらない

築年数別に売買の1m²あたり中央値を見ると、 築5年以内から築41年以上までの落ち幅は5割弱にとどまる。

築年数による1m²あたり価格の減り方(築5年以内=100)築年数による1m²あたり価格の減り方(築5年以内=100)255075100築5年以内築6〜10年築11〜20年築21〜30年築31〜40年築41年以上売買 52賃貸 56
それぞれの都市の築5年以内を100として指数化。売買と賃貸を同じ軸で比較しています。
築年数掲載数構成比1m²あたり中央値
築5年以内2106.4%¥883,300
築6〜10年2728.3%¥855,372
築11〜20年59118%¥817,337
築21〜30年93928.6%¥647,060
築31〜40年61418.7%¥487,456
築41年以上65920.1%¥461,282

築5年以内、築6〜10年、築11〜20年の3帯はほとんど同じ水準にある。 最初の20年で1割も下がっていない。

この形は他都市と大きく違う。 大阪では同じ区間で価格が4分の1になり、神戸と京都でも7割以上落ちる。 今回集計した9都市のなかで、川崎は築年数の影響がもっとも小さい。

建物そのものより立地で値がついている、という読み方ができる。 実際、1平方メートルあたりの中央値は61.5万円で、 東京23区に次いで高い。東京に隣接した立地が価格の中心にあり、 築年数はその上に乗る調整項でしかない、ということになる。

賃貸側の落ち方は4割強で、売買との差は他都市ほど開かない。

築年数掲載数構成比1m²あたり中央値
築5年以内1,88014.4%¥3,710
築6〜10年1,63112.5%¥3,566
築11〜20年2,82321.6%¥3,417
築21〜30年2,03715.6%¥2,792
築31〜40年3,57427.3%¥2,500
築41年以上1,1468.8%¥2,088

売買が5割弱、賃貸が4割強。この差の小ささは、 築古を買って貸す戦略が川崎では効きにくいことを意味する。 築年数で価格が落ちないなら、安く買って高い利回りを取るという入り方ができない。 個別の物件で確かめる場合は利回りを計算する、 長期の値動きを試算するなら長期の価値推移を試算するがある。

価格は下がっている

7月の川崎市で、売買の募集価格は同一物件ベースで-0.94%、 賃貸は-0.32%動いた。 7月の観測4回はすべて下落である。 突き合わせた件数は、どの段階でも売買で2,699件以上、 賃貸で3,450件以上ある。

売れた物件、借り手がついた物件は掲載から消えるため、この突き合わせからは外れる。 残っているのは動かなかった物件のほうであり、値下げの圧力がかかりやすい側に偏っている。

価格を動かした売買物件は追跡できた3,574件のうち 19.5%で、9都市のなかでもっとも高い。 その改定761件のうち値下げが94.1%、 値下げ幅の中央値は-3.03%である。

売買:値下げの割合(区別)売買:値下げの割合(区別)0%25%50%75%100%高津区98.2%中原区98.2%宮前区96.1%川崎区多摩区90.9%麻生区90.4%幸区88.9%23区平均 94.1%
改定のうち値下げが占める割合
追跡した物件数価格を動かした割合うち値下げ値下げ幅の中央値
高津区48322.8%98.2%-2.7%
中原区56719%98.2%-3.16%
宮前区77118.3%96.1%-3.34%
川崎区52415.1%93.3%-2.86%
多摩区39714.9%90.9%-3.13%
麻生区47829.3%90.4%-2.79%
幸区35416.7%88.9%-3.86%

出ているもの

間取り掲載数構成比1m²あたり中央値
3LDK1,65050.2%¥700,159
4LDK39211.9%¥481,329
2LDK38711.8%¥610,714
2LDK+S2557.8%¥633,880
3LDK+S1895.8%¥543,897
1LDK652%¥574,074
4LDK+S521.6%¥376,884

売買掲載3,285件のうち3LDKだけで50.2%を占める。 今回の9都市でもっとも一つの間取りに集中している。

間取り掲載数構成比1m²あたり中央値
1K6,83941.4%¥3,667
ワンルーム2,12612.9%¥3,427
2LDK2,07412.5%¥2,710
1LDK1,83311.1%¥2,963
2DK8585.2%¥2,076
3LDK8124.9%¥2,433
1DK7564.6%¥3,350
2K3402.1%¥2,130
3DK2321.4%¥1,869
2SLDK2221.3%¥2,790
4LDK1260.8%¥2,144
1SLDK1050.6%¥2,849
3SLDK640.4%¥2,513

水準

売買は中央値4,870万円、 1平方メートルあたり61.5万円。 賃貸は中央値で月8.4万円である。 中央値は出ている物件の顔ぶれによって動くため、水準の目安として読んでほしい。

このデータについて

7月中に売買5日、賃貸4日の観測を行い、 延べ16,330件と56,757件の掲載を記録した。 ここで扱っているのは募集価格であって、成約価格ではない。

区別の集計は売買のみを掲載している。賃貸の収集は新着順で、 既知の物件が続いた時点で打ち切る設計のため、日によって取得できる深さが変わる。 構成比と築年帯の集計には、対象期間でもっとも深く取得できた日を用いている。 賃貸の築年数は掲載の79.2%に記載がある。

データと算出方法について