名古屋市況レポート

名古屋は値上げがまだ残っている市場である 2026年7月

対象期間 2026-07-01 〜 2026-07-31 / 観測日 4日(売買)・4日(賃貸)

値上げが残っている

7月に名古屋市で価格を動かした売買物件のうち、値下げは83.7%だった。 残りは値上げである。

この数字だけを見ると値下げ優勢に見えるが、他都市と並べると位置づけが変わる。 東京と札幌では改定のほぼすべてが値下げで、値上げは1%台か2%台しかない。 大阪、神戸、川崎も9割を超える。名古屋の83.7%は、 今回集計した9都市のなかでもっとも低い。 つまり名古屋は、売り手が価格を上げる判断をまだしている市場である。

もっとも、方向としては下を向いている。 7月の観測3回はすべて下落で、 同一物件ベースの変化率は-0.73%だった。 価格を動かした物件は追跡できた6,458件のうち 16%、値下げ幅の中央値は-4.35%である。

区によって様子が違う

値下げの比率は区ごとに大きく開く。 昭和区では改定の97.1%が値下げだったのに対し、守山区では63.1%にとどまる。 その差は34ポイントある。

売買:値下げの割合(区別)売買:値下げの割合(区別)0%25%50%75%100%昭和区97.1%緑区93.3%千種区90.8%天白区港区90.6%名東区78.4%守山区63.1%23区平均 83.7%
改定のうち値下げが占める割合

東京23区では同じ数字が87%から100%の狭い範囲に収まっていた。 名古屋はそうではない。市内でも場所によって売り手の置かれた状況が違う。

追跡した物件数価格を動かした割合うち値下げ値下げ幅の中央値
昭和区31521%97.1%-4.02%
緑区58412.7%93.3%-4.56%
千種区80419.9%90.8%-3.44%
天白区58020.5%90.8%-4.78%
港区34518.3%90.6%-4.78%
名東区55824%78.4%-4.78%
守山区42315.4%63.1%-4.02%

100%に近い数字は「その区の物件がすべて値下げされた」という意味ではない。 価格を動かした物件のうちの比率であり、大半の物件は募集価格を据え置いている。

築年数の効き方

7月時点で出ていた物件を築年数で区切ると、 1m²あたりの中央値は築5年以内から築41年以上までで7割近く下がる。

築年数による1m²あたり価格の減り方(築5年以内=100)築年数による1m²あたり価格の減り方(築5年以内=100)255075100築5年以内築6〜10年築11〜20年築21〜30年築31〜40年築41年以上売買 31賃貸 52
それぞれの都市の築5年以内を100として指数化。売買と賃貸を同じ軸で比較しています。
築年数掲載数構成比1m²あたり中央値
築5年以内71311.2%¥718,850
築6〜10年5017.9%¥518,905
築11〜20年70311.1%¥434,135
築21〜30年1,44322.7%¥341,722
築31〜40年1,10717.4%¥259,524
築41年以上1,88829.7%¥225,187

賃貸側の落ち方はこれより緩い。

築年数掲載数構成比1m²あたり中央値
築5年以内5,77411.6%¥2,539
築6〜10年6,65013.3%¥2,332
築11〜20年11,25822.5%¥2,189
築21〜30年9,60519.2%¥1,792
築31〜40年11,13522.3%¥1,552
築41年以上5,54511.1%¥1,324

売買価格は築年数とともに大きく下がるが、家賃はそこまで下がらない。 古い物件ほど、価格に対して取れる家賃の比率が高くなるという関係は、 名古屋でも成り立っている。個別の物件では利回りを計算するで確かめられる。

間取り掲載数構成比1m²あたり中央値
3LDK2,44138.4%¥318,014
4LDK1,22419.3%¥292,447
2LDK98015.4%¥355,136
3LDK+S2954.6%¥370,541
2LDK+S2473.9%¥367,633
1LDK2193.4%¥736,842
5LDK1502.4%¥294,521
4LDK+S1101.7%¥327,273
3DK1051.7%¥143,808
4DK801.3%¥194,232
6LDK600.9%¥328,589
5LDK+S590.9%¥279,389
1K570.9%¥745,342

売買掲載6,355件のうち、3LDKと4LDKで6割近い。 出ているのはファミリー向けが中心である。

水準

売買は中央値2,790万円、 1平方メートルあたり31.6万円である。 中央値は出ている物件の顔ぶれによって動くため、水準の目安として読んでほしい。

このデータについて

7月中に4日の観測を行い、 延べ24,945件の売買掲載を記録した。 ここで扱っているのは募集価格であって、成約価格ではない。

今回、賃貸の価格変動と区別集計は掲載していない。 賃貸の収集は新着順で、既知の物件が続いた時点で打ち切る設計のため、 日によって取得できる深さが大きく変わる。名古屋では最少日と最多日で27倍の開きがあり、 浅い日どうしを突き合わせても在庫全体を表さない。 築年帯と間取りの構成は、対象期間でもっとも深く取得できた日のものである。 賃貸の築年数は掲載の87.9%にしか記載がない。

データと算出方法について