東京市況レポート

東京23区の売買募集価格、9月は-2.52% 5月から15回連続の下落 2026年9月

対象期間 2026-09-01 〜 2026-09-30 / 観測日 4日(売買)・4日(賃貸)

下げ幅が広がった

9月の東京23区で、売買の募集価格は同一物件ベースで-2.52%動いた。 賃貸は-1.68%である。

売買は2026-05-10に記録が揃ってから15回観測し、 そのすべてが前回を下回った。通算では-6.87%になる。 賃貸も2026-06-10以降の12回がすべて下落で、 通算-3.92%である。 上がった回は、売買にも賃貸にも一度もない。

9月の下げ幅は、売買・賃貸とも記録が揃ってから最大である。 8月にいったん縮んだ下落のペースが、9月に再び広がった。

この数字は、前回も今回も掲載されていた同じ物件だけを突き合わせ、 その物件自身の前回価格と比べたものである。各段階で売買は20,911件以上、 賃貸は11,031件以上を突き合わせている。 売れた物件、借り手がついた物件は掲載から消えるので、残るのは動かなかった物件に偏る。 「市場価格が下がった」ではなく「掲載され続けた物件の募集価格が下がった」と読むのが正確である。

賃貸の値下げは、区によって差が大きい

今月から、賃貸も区ごとに集計できるだけの母数が揃った。

9月に価格を動かした賃貸物件は、追跡できた27,709件のうち 6.4%にとどまる。ほとんどの物件は家賃を据え置いている。 ただ、動いた物件では値下げが81.5%を占め、 値下げ幅の中央値は-3.68%だった。

区追跡した物件数価格を動かした割合うち値下げ値下げ幅の中央値
北区1,02210.1%93.2%-5.26%
新宿区1,5775.8%91.4%-3.61%
渋谷区8497.3%90.3%-3.39%
世田谷区1,5076.8%89.2%-3.7%
板橋区1,2257.7%87.4%-3.27%
文京区9866.2%87.1%-3.2%
目黒区7508.7%86.8%-4.07%
中野区9917.5%86.7%-4.18%
杉並区1,5274.1%86.4%-3.38%
台東区1,5386.9%83%-4.22%
足立区1,0236.3%81.3%-3.89%
品川区1,7415.5%80.2%-3.23%
墨田区1,7175.5%80.2%-3.09%
港区1,4036.7%78.9%-4.2%
江東区2,3656.8%75.9%-3.83%
中央区1,1665.8%75.4%-3.91%
練馬区1,0665.8%69.4%-4.05%
大田区1,7086.1%62.5%-3.12%

区ごとの差は売買よりずっと大きい。 北区、新宿区、渋谷区では動いた物件の9割以上が値下げだったのに対し、 大田区では6割ほどで、値上げも少なくない。 同じ東京23区でも、借り手を探すのに家賃を下げる必要がある区と、そうでない区に分かれている。

売買は23区がそろって下を向く

売買では、追跡できた37,238件のうち21.8%が価格を動かし、 その改定8,741件の98.8%が値下げだった。 値下げ幅の中央値は-3.38%である。

売買:値下げの割合(区別)売買:値下げの割合(区別)0%25%50%75%100%大田区100%台東区100%目黒区99.5%墨田区港区文京区世田谷区練馬区杉並区品川区中央区豊島区江東区江戸川区渋谷区新宿区北区足立区97.6%板橋区96.9%中野区96%23区平均 98.8%
改定のうち値下げが占める割合
区追跡した物件数価格を動かした割合うち値下げ値下げ幅の中央値
大田区1,62919.2%100%-2.74%
台東区1,15823.7%100%-3.25%
目黒区1,40626.3%99.5%-3.45%
墨田区86221.6%99.5%-3.09%
港区3,57421.6%99.4%-3.48%
文京区1,29123.2%99.4%-2.99%
世田谷区3,16220.4%99.3%-3.36%
練馬区1,56018.5%99.3%-2.78%
杉並区1,59622.7%99.2%-3.17%
品川区1,71823.9%99.1%-3.57%
中央区2,30827.4%98.7%-4%
豊島区1,45323.3%98.6%-3.62%
江東区2,25523.7%98.4%-3.59%
江戸川区1,38517.5%98.4%-3.29%
渋谷区1,92225.8%98.2%-3.77%
新宿区2,38920.5%98.1%-3.85%
北区80422.6%97.9%-3.34%
足立区1,67817.7%97.6%-2.78%
板橋区1,61818.9%96.9%-3.33%
中野区1,08424.4%96%-3.36%

値下げの比率はどの区も9割台後半で、区ごとの差はほとんどない。 差が出るのは、価格を動かした物件の割合のほうである。 中央区、目黒区、渋谷区では4件に1件以上が動き、足立区や江戸川区では2割に届かない。 都心寄りの区ほど売り手が価格を見直している。

築年数と価格

9月時点の掲載内容を、築年数で分けて見る。

築年数による1m²あたり価格の減り方(築5年以内=100)築年数による1m²あたり価格の減り方(築5年以内=100)255075100築5年以内築6〜10年築11〜20年築21〜30年築31〜40年築41年以上売買 42賃貸 68
それぞれの都市の築5年以内を100として指数化。売買と賃貸を同じ軸で比較しています。
築年数掲載数構成比1m²あたり中央値
築5年以内3,58310.1%200万円以上
築6〜10年3,68510.3%200万円以上
築11〜20年6,97719.6%180万〜200万円
築21〜30年8,74824.5%140万〜160万円
築31〜40年3,3399.4%100万〜110万円
築41年以上9,31426.1%90万〜100万円
築年数掲載数構成比1m²あたり中央値
築5年以内19,04724.5%¥4,923
築6〜10年14,74519%¥4,726
築11〜20年18,48423.8%¥4,479
築21〜30年12,25515.8%¥4,410
築31〜40年7,7299.9%¥3,371
築41年以上5,4647%¥3,349

売買の1m²あたり中央値は築年数とともに大きく下がり、築31年を過ぎると新築に近い物件の半分を下回る。 家賃はそれほど下がらない。築古の物件ほど、価格に対して得られる家賃の比率が高くなる。 個別の物件では利回りを計算する、築年数と価格の関係は築年数と価格の関係を見るで確かめられる。

水準

9月時点の中央値は、売買で8,480万円、 賃貸で月14.7万円、賃料は1平方メートルあたり4,797円である。 中央値は出ている物件の顔ぶれで動くため、月ごとの変化ではなく水準の目安として読んでほしい。

このデータについて

9月中に売買4日、賃貸4日の観測を行い、 延べ140,399件と279,861件の掲載を記録した。 ここで扱っているのは募集価格であって、成約価格ではない。

売買では、取得に失敗して件数が極端に少なかった日を集計から除いている。 賃貸の観測日のうち1日は取得件数が上限に達したため、水準(中央値)の集計には使っていない。 変化率は同じ物件どうしの突き合わせをつないだもので、観測の回数に左右されない。 一方、改定の件数は観測の頻度に依存する。 賃貸の築年数は掲載の77.7%に記載があり、記載のない物件を除いて集計している。

データと算出方法について